ゆかめ線

雑記と日記と ときどき旅行記

交通手段がないので片道8時間歩きました【熊野市~新宮】

旅には旅程が欠かせない。

 

もちろん何の計画もなしに、行き当たりばったりで楽しむ旅というのもあるだろう。ただ、旅行中、限られた時間や日程の中、やりたいことがいくつもある場合はやはり旅程を拵えた方が良いと感じる。計画を練れば、それらを効率的にめぐることができるからだ。

しかし、その旅程が時として旅人に牙を向けることがある。

旅行中のやりたいこと(これを私は「履修案件」と勝手に呼称しています)が複数ある時、履修案件そのものだったり旅行全体の流れだったり、様々な事情からどうしても旅程がいびつな形をとることが多々ある。その"いびつ"が「野宿」だったり「駅間歩き」などと称して目の前に現れることとなるのだ。 

 

夏の夜、名古屋からの高速バスに揺られ熊野の地へと降り立った時も、私は同じような状況に見舞われていた。

 

 

 

ーーー

 

 

・・・なんて!!! なんかそれっぽい雰囲気で書いていればそれっぽい感じになるかなって思ったけど文才がないのでただのイキりになってしまうだけでした!! 慣れないことを書くもんじゃない。おわり!! 閉廷!!!!!

 

さて、話は今年の夏に遡ります。

毎年、この時期になると帰省と称して和歌山旅行に出かけるのですが、毎回同じルートで帰省するのも面白くないということで、いろいろな「履修案件」を組み合わせて、ある旅程を組み立てました。

その旅程というのが、東京からバスで名古屋に出て、そこから紀伊半島の東側をたどる形で新宮を経由し、白浜方面へ抜けるというルートです。

このルートをとったおかげで、前々から履修したいと思っていた案件をいくつか巡ることができるようになるのですが、ひとつだけ問題がありました。それは

 

三重県熊野から和歌山県新宮までの交通手段がない

 

複数の案件をスムーズに履修しようとした結果、ここに"いびつ"が生じてしまったのです。結果としてこの区間は歩いて抜けることになったのですが、まぁ体力的にも非常にしんどい経験をすることになりました。今回はそんな徒歩旅の「おでかけ回顧」です。

 

 

ーーー

 

 

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名古屋から高速バスに揺られ3時間半。バスを降りると、湿気をまとう生暖かい空気と、一面に響く虫のさざめきが全身を包み込んだ。

 

ここは三重県熊野市にある「三交南紀」バス停。このエリアで幅を利かせる三重交通というバス会社の「南紀営業所」に隣接する停留所、そして名古屋から乗車してきたバスの終点です。

この日、朝から丸一日をかけて、はるばる東京から高速バスを乗り継いでここまで来たわけですが、旅の本番はこれから。私はこれから南に約21kmほど進んだ先、和歌山県新宮駅まで徒歩で向かわねばならないのでした。

 

 

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東名ハイウェイバスにのって名古屋まで来た私は、三重県南部、熊野方面の最終バスに乗って「三交南紀」に到着。この翌朝、新宮を8:40に発車する白浜行き「白浜空港リムジンバス」への乗車を履修案件としていた自分には、その発車時間までにここ三交南紀から新宮駅まで向かう必要がありました。さて時間は日付が変わって間もない頃、この時間に新宮へ向かう公共交通機関はありません。どうしたものか。

 

歩けばいいじゃん(いいじゃん)

 

となるわけです。

 

さてこの旅程に対して、「夜行バスで新宮に行けばよかった」「名古屋~南紀線は新宮駅に行く便もある、それに乗ればよかった」「新宮で泊まればいい」「念力を使え」といった声が上がるかと存じます。私も思いました。

ただこの件については、☑そもそも旅行前夜の新宮行き夜行バスが取れなかった。☑南紀高速バスの新宮行きは名古屋17:10発が最終で、別件で履修したかった東名ハイウェイバスの旅程とかみ合わなかった。☑新宮にはネカフェがないので宿泊費を圧縮できない。などの理由から実行を断念するに至りました。あと私には念力が使えません。

 

じゃあ三交南紀から新宮までの片道21kmを夜通し歩けば、宿泊費をかけず効率的に夜を明かすことができるじゃん。ということで、このような旅程が完成するに至ったのです。

 

実をいうと、わざわざ歩かずとも、熊野市駅で始発を待てば列車でも路線バスでも早朝に新宮駅へ向かうことができる。ただ同じ場所に数時間居座り続けるのも非常に退屈なものである。ましてや深夜なので時間をつぶせるような商業施設も開いていない。ということでこの案も取り下げるに至っている。

ちなみに熊野市(三交南紀)から新宮駅までは、Google先生によれば片道4時間で歩けるようなので、今からまっすぐ歩けば日が昇る前に新宮駅に到着できる算段です。なんだ楽勝じゃん。地図を見た限り、紀伊半島東側の海岸にそって平坦な道を歩くだけなので、割と苦労せずに歩くことができるでしょう。

 

 0:10頃 三交南紀 

紀伊半島には「国道42号線」が、その半島をぐるっと外周するような形で通っている。今回、新宮駅まで向かうルートも、その殆どを国道42号線と共に過ごすわけだが、出発地点であるこの「三交南紀」は国道から少し内陸に位置している。まずは海沿い、国道42号線を目指して歩みを進めることとしよう。

 

 

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三交南紀バス停の写真を撮り、ふと振り返ると、そこには一面の暗闇が広がっていた。

当たり前だが、市街地から離れた場所に位置するこの場所は、周囲に明かりが殆どない。非常に暗いのだ。ずっとこんな道が続いていたらちょっと心細いな、などと考えるも、ここでじっとしていては埒が明かない。とりあえず正面を横切る通りに沿って歩き出すことにした。

Google先生によると、この目の前を通る道は「オレンジロード」という名前を冠しているらしい。この辺りでもみかんがふんだんに取れるということなのだろうか。

 

 

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少し進むと、近くに聳える鉄塔がその大きな骨々を闇夜にどんより浮かばせていた。

私はこういった光景があまり得意ではない。明かり一つない巨大な人工物が自然光に浮かび上がる様子が少し不気味に感じてしまうからだ。鉄塔はまだ優しい方だが、例えば窓ガラスが全て砕け失われた廃墟の構造物などは、見ていると背筋に冷たいものが通る思いをしてしまう。人工物特有の圧倒感というのだろうか、心霊的なものとはまた違う、独特の不気味さを感じてしまうのだ。

 

少し進むと、脇に小川が流れるようなところに出てきた。どうやら比較的広めの公園がそばにあるらしい。あ~、なんか小川がせせらいでるな、なんて何気なく過ごしていたら、

 

バサバサバサァッ!!

 

と急に音がするものだから非常にびっくりした。変な声が出た。ウォワァッ!??とか言った気がする。

この通りの小川が流れてない側は住宅地のようなので、このとき誰かが偶然ベランダでたばこでも吸っていたとしたら、このこっぱずかしい叫び声を聞かれてしまったかもしれない。暗闇に身を隠したい気分だ。音の正体は結構デカいタイプの鳥類だった。

 

当時、あとで旅を思い出せるようにと適宜LINEにメモを取りながら旅をしていたのだけれど、

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よっぽど驚いていたことが伺える。

 

 

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オレンジロードを南下すること数分。Google先生がこの辺りで左を指さした。オレンジロードとはここでお別れのようだ。ありがとうオレンジロード、どうかこの先もお元気で。

 

左に進んだ先には住宅地の合間を進むような狭めの道が伸びていた。

より一層灯りの少なくなった道を進む。暗闇の中、波がしぶきを上げる力強い音だけが轟いている。先日通り過ぎた台風の影響もあってか、いつも以上に海がしけていそうなことが音だけでも感じられた。

荒れた海の轟々とした音。その迫力に圧倒されるような気分であったが、地元の人にはこれが当たり前の光景なのであろう。

 

 

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しばらくして前方に踏切が現れた。国道42号線とともに紀伊半島をぐるっと外周する「紀勢本線」のものだ。

当たり前だが、この時間に列車が通ることはない。ただただ黄色と黒の縞模様が高く背筋を伸ばしているだけである。けれどもこうして鉄道にまつわる施設が目の前にあると、どことなく心が高鳴る気がして、鉄オタの血が通っていることを痛感した。

 

 

20分くらい歩いただろうか。

腐っても8月の真っただ中である。歩き出したころは「徒歩4時間なんて楽勝じゃん」と息巻いていたが、この季節、夜といえども気温は高く、加えて海が近いのもあってか非常に湿っぽい。それなりに汗ばんできて、ちょっと一休みしたいような気分になった。

 

GoogleMapで下調べをしていた時に気付いたのだが、この国道42号線沿いは割と都会らしい。沿道にはエディオンファッションセンターしまむらなどが立地しているところもある。それなりに便利そうな土地であることが地図を通して伺い知れた。

だが今は深夜である。そのような便利な店も当たり前のように営業していない。沿道にはコンビニもいくつかあるが、ここからまだしばらくかかるような位置にあるらしい。コンビニ以外に一休みできそうなところがないのである。これは少々苦戦を強いられそうだぞ。

 

そう思っていた矢先、踏切を超えた先に煌々と光る、ある看板を見た。

それは......

 

 

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24時間営業のオークワ~~~~!!!

最高。

 

オークワは関西圏、特に和歌山や三重では必ず見かけるといっていいチェーンスーパー。他所の人でもご当地ネタとして「オークワからのごあいさつ」というネタを耳にしたことがあるかもしれない。

このタイミングで貴重な24時間営業のお店にありつけられるのは非常にうれしい。暗闇に煌々と光る大きな看板に、自分の心が明るく照らされているかのような気がした。

ここでは軽い飲食物、ついでに塩分が摂れるタブレットを買っておいた。

 

 

これは余談だが、オークワといえば和歌山のチェーンスーパー、というのは先述した通りで、自分はてっきり和歌山市のあたりに発祥があるのだと勝手に思っていた。だが調べてみると1号店は新宮にあり、それ以前の創業期、呉服反物を委託販売していた店舗は熊野市にあったということを知った。

www.okuwa.net

 

 

0:34 オークワ 有馬店前

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オークワの目の前には「国道42号線」が通っている。

これは旅行前にわかっていたことだが、この国道42号線は紀伊半島の沿岸部におけるメインルートである。なので交通量もそれなりに多く歩道もある。深夜帯でも、暗闇を一人寂しく歩くようなことにはならないだろうと踏んでいた。

その予想は正しく、道にはある程度の往来があった。また地方に行くほど車社会になるので、こういった交通量のある国道にはよく歩道がなかったりするものだが、少なくともここにはある。歩く分には苦労しないだろうと、改めて安堵した。

 

 

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42号線をひたすら歩く。

このように全国で見られるような商業店舗も立地する。典型的な「地方の国道沿い」といったところだろうか。

 

 

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ただひとつ違うものがあるとすれば、道の向こうにひたすら防風林が続いているということだろうか。この林の奥には太平洋が広がっている。

林の向こうから聞こえる波の轟々とした音。風に揺れる木々のざわめき。道端に佇む街路灯とは対照的に、明かり一つない林の中を覗けば、そこには木の幹がぼんやりと浮かび上がっているだけ。この部分だけを見ていると、先ほどの安堵とは裏腹に少々心細い気持ちがしてこなくもない。

 

そしてひたすら、防風林と住宅地に挟まれたこの国道を進む。

 

 

1:01 紀勢本線 神志山駅

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午前1時頃。紀勢本線の神志山という駅にたどり着いた。

先述した通り、国道42号と紀勢本線はほとんど並走しているため、こうして歩きながら新宮までの駅々を巡ることができる。

 

 

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列車がこない時間ながら、駅舎には明かりが灯っていた。

中々渋い雰囲気を持つ駅舎だ。降ろされたシャッターに描かれたイラストも、味があって良い。この部分は窓口でもあったのだろうか。

 

 

数分程度の休憩を挟んで、再び歩き出す。

左手には防風林の高い木々が迫り、右手には住宅などが立ち並ぶ。景色はあまり変わらない。

 

時折すれ違う乗用車のライトに眩しい思いをしたり、自分を追い越す車のテールランプをひたすら目線で追いかけたりしながら、ただひたすら歩き続ける。

車があれば歩かなくて済むんだろうなと思ったが、あいにく今の自分は免許を持っていない。

 

 

1:15頃、ファミリーマート 御浜町三軒家店に到着した。

旅行前の下調べで、ここにはイートインが併設されていることがわかっていた。予めここで休憩をとろうと画策していたのだと思う。いわゆるリスポーン地点の1つだった。

だがここで何かした記憶がない。先ほどのオークワ有馬店でそれなりの飲食にありつけたこと、駅でちょっと休めたこともあり、ここでは休憩をとらなかったのかもしれない。写真やLINEのメモも残っていないので、何をしていたのかを知る術はない。(だから旅行後はなる早で旅記を書こう!)

 

 

1:41 紀勢本線 紀伊市木駅

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しばらく歩いて、紀伊市木駅にやって来た。

こちらも国道のそばに位置する駅だが、駅舎は通りとは反対側にあるので、踏切を越え、少々回り道をしなければならない。

神志山駅に比べ非常に簡素な駅舎が印象的である。照明も明るく、真新しい歩道が敷かれていたので、最近になってきれいに整備したのかもしれない。駐輪場と思しきスペースも広く、通学で利用する人が多いのだろうか。

 

 

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ホームに失敬すると、そこには猫がいた。

猫は自分と目が合うと、そそくさと暗闇に紛れてどこかへ行ってしまった。せっかく駅でくつろいでいたところにお邪魔して気を悪くしちゃったかと申し訳ない気がした。

 

 

駅を後にする。

また同じような風景の中をひたすら歩く。かれこれ2時間が経過しようとしているが、まだ行程の半分にすら至っていないようだ。Googleナビの到着予想時間もじわじわと遠ざかっていく。

ただ、新宮に早く着いたところで現地での時間を持て余すだけなので、こうして寄り道や休憩を繰り返しながら、ゆっくり進んでいこう。

 

 

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再び42号線をひた進み、少し大きめな交差点を渡ると、道が川を渡るところで歩道が途絶えてしまった。

 

 

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この通りである。交差点の脇から旧道が伸びているので、歩行者はそちらを通れとのことだ。

旧道の方を覗いてみると、車一台が通れるような一本道が闇の中に伸びていた。あまりの暗さに心細さを感じた。

 

 

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川の河口付近は防風林が途絶えており、交差点の脇から海が見えるようだったので、旧道へ向かう前にちょっとチラ見することにした。

そこには暗闇の中から荒々しい波の音が響くだけの風景が広がっていた。真っ暗な中、浜辺に打ち付ける波しぶきが月明かりに白く照らされていた。

 

 

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さて川を越すべく旧道へと足を踏み入れる。旧道の入り口にはポールが立っているため、自動車が入ってくることはないらしい。ただ、これは通り過ぎる自動車で心細さを紛らわすことができなくなるのを意味する。

 

道は暗かった。両脇に草木が生い茂っていて、夜行性の野生動物なんかが飛び出してきそうな雰囲気があった。こんなタイミングで目の前にタヌキやらシカやらが出てきたら、声を出して驚くどころでななくなってしまう。

あと、こういった両脇に草木があるような道は、たまに道を遮る形で蜘蛛の巣が張られていることがある。これも嫌だった。蜘蛛は苦手なのだ。

幸い、この旧道では蜘蛛の巣に纏われるようなことはなかった。

 

 

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旧道から自動車しか通れない橋の方を眺めてみる。やはり暗闇の中、月明かりだけに照らされる人工物はどことなく不気味な感じがした。

ただしその反面、三脚なんかを拵えてしっかり撮影をすると、星空を背景にきれいな写真が撮れるんじゃないかとも思った。

 

 

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旧道の方で川を越え、もう少しで元の国道に合流できそうだ。

このまままっすぐ進めばすぐ国道に出られると考えていたが、この先には住宅地が広がっていて、ちょっとばかりその中で迷子になってしまった。若干回り道をする形で、国道へと合流した。

 

 

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再び国道42号を進む。

そびえる防風林と、反対側に軒を連ねる家々。ある意味、見慣れた光景となった。

 

 

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今日は満月だった。さっきから暗闇暗闇と同じ単語を使い倒していたが、実はそこまで暗闇一辺倒というわけではなかった。この月明かりにも、道中の心細さを紛らわすのに役立った。明るいものを見ると、なんとなく安心感を得られる。

 

 

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「年中みかんのとれるまち 御浜町

気づけば熊野市を離れ、御浜町へと入っていたらしい(実は神志山駅の時点で御浜町内に入っている)。この辺りもみかんが豊富に取れるようだ。ふと「オレンジロード」のことを思い出した。

 

 

2:28 紀勢本線 阿田和駅

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阿田和駅に到着した。三交南紀からおよそ9kmの距離となる。

この辺りは御浜町でそれなりに栄えているスポットの1つのようである。道の駅や、中央公民館などが近くにある。もちろん、「オークワ」もある。

 

 

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ここも今まで見た駅と同様に明かりがついており、シャッターには渋いイラストが施されていた。

 

 

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駅前の様子。

奥に見える建物が「道の駅 パーク七里御浜」である。広い駐車場を備えており、車で来た場合には車中泊スポットとして活用できたかもしれない。あいにく今の自分は徒歩なので、このスポットを活用する術はなかった。

 

 

あとここら辺に来てめちゃくちゃ疲れが出てきた。いや、ここに来るまででも結構疲れてた。

荷物が重い。とくに言及してなかったが、今、持ってきた荷物は全て肩と首にかけられている。着替えだったり撮影機材だったりといったアイテムが入ったカバンが2つ。2泊3日ほど過ごせるような分量が、この部分にひたすら負荷を与えてくる。

キャリーケースでも持ってくれば楽だったのだけれど、キャリーケースは引きずるとゴロゴロと音が煩く、深夜徘徊には向いていないといった点から持ってこないでいた。

そうしてカバン2つで挑むこととなった今回の旅だが、やはり長期戦には向いていないようだ。定期的にカバンの背負い方を変えたり、持ち手を変えてみたりと試行錯誤を繰り返してみたが、だんだんと限界を感じるようになっていた。

 

 

駅前にある自動販売機で水分補給をしながら、10分ほど休憩をした。

 

 

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再び足を進める。少し進んだところで、海沿いにヤシの木が生えているのを見つけた。

そしてその中で何かが光っているのも確認できた。しばらく様子を見ていると、どうやら若い人たちが数人で花火を楽しんでいるようだった。こんな時間帯に浜辺で遊ぶ人もいるんだなぁといった思いのほかに、久々に出会う"自動車以外の人の気配"に少しばかり安らぎを覚えた。

 

 

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先ほどまで続いていた防風林は姿を消し、一面には広い砂浜が広がっている。

この砂浜は熊野市から紀宝町まで22kmにわたって続く「七里御浜」の一部だ。七里御浜は「吉野熊野国立公園」の中にあり、「日本の渚百選」「21世紀に残したい自然百選」などにも選定される景勝地の一つである。

オークワ有馬店のあたりからずっと眺めていたあの防風林の奥にも、ずっとこのような砂浜が続いていたわけだ。そしてこの先もずっと続いている。

 

 

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夜空には星が浮かんでいた。

雑な設定で拵えた簡素な写真だけれど、真っ暗な風景をこれだけ明るく撮ることができるので、年明けに新しく一眼を買っておいて正解だったなと思った。

 

 

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国道42号に沿う形で、三重交通の路線バスが運行されている。

ここは「阿田和端地」というバス停のようだ。

 

 

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話が若干逸れるが、旅行中にする好きな営みのひとつに「現地の青看を眺める」というものがある。青看に記された地名を眺めながら、「遠くに来たもんだ」と感慨にふけるのが楽しい。

 

 

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暇なので浜辺に降りて写真を撮ってみたりもした。

本当に今日の月は明るい。ただただ一人きりで、黒く染まる砂浜でたそがれる。

 

 

3:27 御浜町阿田和バス停付近

やはり体力的に厳しくなってきたのか、この辺りで30分くらい座って過ごしていた。LINEメモにも「つかれた」との一言が添えられている。徒歩4時間というのはあまり楽な行為ではなかったのかもしれない。

旅行前の下調べによれば、次のリスポーン地点として目を付けている「ファミリーマート 紀州御浜店」まで、歩いてまだ30分ほどかかるらしい。今から歩くと、ファミマに着くころには4時を迎えてしまいそうだ。最初の予定からは大きく遅れをとっていた。

しかし歩かねば何も進捗しない。

暑さに堪えつつ、重い腰を上げ、再び歩き出した。新宮まであと半分の距離だ。

 

 

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御浜町阿田和というバス停の奥で、また歩道が途切れていた。どうやらここで「尾呂志川」を渡るので、歩行者である自分は再び旧道を歩かねばならないらしい。旧道はことさらに暗いので心細くなるので、あまり得意でない。

 

 

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旧道は案の定暗かった。とはいえ満月のおかげか、まだ周りの様子が少しばかり伺えるのは非常に有難い。

 

 

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内陸の方を眺めてみる。

きらきらと輝く星空の下、山々が連なり、手前には田畑が広がる。なかなかいい風景だと思った。

 

この近くを「尾呂志川」が流れている。この川を上流へと遡ったところに、「風伝おろし」で知られる「旧尾呂志村」がある。

風伝おろしとは、初秋から春にかけてこの地域にみられる自然現象だ。この時期、旧尾呂志村のさらに奥、紀和町の盆地で発生した霧が、熊野古道伊勢路の通る「風伝峠」を越え海側へと流れてくる。このとき発生した朝霧が峠を越え、まるで水流のごとく山の斜面を駆け降りる様が非常に神秘的なのだという。ぜひともこの目で拝んでみたいものだ。

この「風伝おろし」が転じて、この地域が「尾呂志」と呼ばれるようになった。

 

 

ちなみに尾呂志川に沿う形で、内陸に向けて「尾呂志街道」という道が通っているのだが、この道が途中であの「オレンジロード」と交差する。

 

 

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旧道を抜け、再び国道へ合流する。相変わらず暗い道が続くが、旧道以外に関してはこうして歩道が確保されているので歩行者に優しい。

また一台、車が明るくヘッドライトを照らしながら、自分を追い越していった。熊野から新宮まで、車で走ればたったの30分で着くという。いったい何が楽しくてそんな道のりを何時間もかけて歩いているのか、ちょっとわからなくなってしまった。

 

 

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阿田和を過ぎてから、ずっと道沿いに肩を並べていた住宅地の姿がなくなった。

こうなると少しばかり心細さが増す。

 

 

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左手に見えるのは尾呂志川の河口付近だ。

川の向こうに生い茂る木々が、月明かりに照らされてぼんやりと姿を見せる。これまでにも何度か言ったが、こういう光景はあまり得意ではない。昔、日没後の高尾山を一人で下山した時にも同じようなことを思った気がする。

 

 

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しばらくして、前方に明るく輝く看板を見つけた。次なるリスポーン地点だ。

 

 

4:01 ファミリーマート 紀州御浜店

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やっとこさファミリーマートへたどり着いた。やはり煌々とした人工物の明かりを見ると安心する。ここで一休みしよう。

ここのファミマにはイートインがないので、買ってきたおにぎりとレッドブルは店の近くでかきこんだ。暑い中、夜通し歩いてはエナドリを飲むというのはたいそう寿命に響きそうな気がした。

 

 

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ファミマで10分程度の休憩をした後、再び歩き出す。

 

国道をひたすら歩いて思ったことだが、すれ違う車の「運転代行」率が異様に高い。そのあたりの業界には詳しくないけれど、タクシーではなく運転代行サービスの車が多いのには何か理由があるのだろうか。

 

 

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熊野を発って4時間と少し。御浜町紀宝町の境にさしかかった。

新宮まではあと8kmある。もう少しの辛抱である。

 

 

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振り返ると交通情報を知らせる看板が立っていた。

8月中旬に予定されていた熊野花火大会は、先日の台風の影響で月末に延期されていた。熊野花火大会の開催日には全国から大勢の観光客が押し寄せる。それに伴う交通渋滞も凄まじいものがあるらしい。もし予定通りに開催されていたら、ちょうど自分が歩いていたころの開催だったはずなので、歩いている間に見かける光景もまた変わっていたのかもしれない。

 

 

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そっと佇む御浜町の看板に別れを惜しみつつ、紀宝町へと踏み入った。

 

 

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ふと海の方を覗けば、東の空が少し明るみかけていることに気が付いた。本来の予定なら4時頃には新宮に到着しており、向こうでゆっくり日の出を拝む算段だった。このままでは新宮に着くころには完全に空が明るくなっていることだろう。歩いてる最中に夜が明けてしまうのも味気ない。どこかでじっくり日の出を拝みたいと思った。

 

 

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次第に紫がかる空に焦りを感じ、少しばかり急ぎ足になった。

前方に見える明るい場所は「道の駅 紀宝町ウミガメ公園」である。

 

 

4:30 道の駅 紀宝町ウミガメ公園

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熊野市から紀宝町にわたって延々と続く七里御浜はウミガメの産卵地としても有名だ。ここ「道の駅 紀宝町ウミガメ公園」は紀宝町のウミガメ保護・啓発活動の拠点としての役割を兼ね備えている。

www.kankomie.or.jp軽く調べてみれば、純粋な道の駅としての機能のほか、ウミガメと触れ合えるプール、ウミガメにちなんだグッズを並べる土産屋さんやレストランなどが併設されており、観光で立ち寄るのにも十分楽しめそうな様子だ。

ただしこれは営業時間中の話である。もちろんこんなド早朝に開いているわけがないので、軽くトイレだけを済まして立ち去ることにした。

 

 

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次第に空が明らんでくる。

容赦ない時間の経過ぶりに焦りを覚える反面、周囲の風景が見やすくなるので、歩いている間の気持ちが楽になってくるような気がした。

 

 

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ぼんやりと色づいていく空を眺める。こんな空を背景に、バス停に停車するバスを撮影出来たら、結構エモい写真が撮れるんじゃないかと思った。もちろん始発のバスはまだ来ないのだが。

ここは「井田駅前」バス停。そう、紀勢本線紀伊井田駅が近くにある。日の出までまだ余裕があるようなので、とりあえず駅の様子を伺うことにした。

 

 

4:52 紀勢本線 紀伊井田駅

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紀伊井田も簡素な無人駅だ。

始発列車は5:34発の新宮行き。まだ早すぎたか、列車を待つ人の姿はなかった。

 

 

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朝焼けを背景にして、入線する列車を撮影出来たらエモそうな雰囲気だ。

なんならここで始発を待って、楽して新宮駅に行くこともできる。そうしたい気持ちもあった。だがせっかくここまで歩いておいて、最後の最後で列車に甘んじるというのも物足りないという気持ちが勝った。こんなにしんどい思いをしておきながらこうである。私はドMなのかもしれない。

 

 

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駅を後にして、海の方へ出てみることにした。

横断歩道を渡って、防風の役割を持つであろうフェンスを伝って歩いていくと、途中で途切れている部分があり、その間を抜けて海側へ出ることができた。

 

フェンスを抜け、ちょっとした草原のようになっている部分を進むと、堤防のようなコンクリート構造物に上がるための階段があった。くたびれきった足で1段1段を踏みしめるように上っていくと、そこには圧巻の光景が広がっていた。

 

 

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眼下に広がる一面の太平洋である。ただただ水平線が一直線に広がっていた。美しい。

ちょうど太陽が昇りそうな方角には何の障害物もない。日の出を拝む絶好な場所だと思い、休憩もかねてしばらく居ることにした。

 

 

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時刻は5時を過ぎ、周囲もだいぶ明るくなってきた。

大海原の先には、薄紅色をした太陽が雲の間からゆっくりと姿を現そうとしている。

 

 

 

そして・・・

 

 

 

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言葉を失った

 

 

 

5:30 日の出

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そこには今までの人生で見た中で一番美しい日の出があった。

 

何の言葉も出なかった。

 

登りゆく太陽に照らされた水面が、さまざまな彩りを映し出していた。

 

この日の出を拝むために、はるばる歩いてきたんだ。そう思った。全てが報われるような気がした。旅に出て良かった。これだから旅はやめられない。

 

 

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しばらく日の出の映し出す様々な風景を切り取りつつ、朝を迎えた。

心なしか道行く往来も増えたような気がする。

 

 

新宮までもうひと踏ん張りだ。気持ちを新たにして、再び歩き出した。

遠くの方で、始発列車の豪快なディーゼル音が轟いていた。

 

 

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紀伊井田を過ぎ、右手に紀勢本線の線路が近づくと、ここで国道42号が「紀宝バイパス」の名を受けて高架橋へと変身し、内陸へ進路を変えてしまう。つまるところ歩行者が立ち入れなくなってしまうのだ。

なのでこの場所で国道には別れを告げ、私は海岸線に沿って走る「県道35号」紀宝川瀬線を辿ることにした。新宮への最後の途中駅となる「鵜殿駅」もこの道沿いにあるので、かえってこっちのほうが都合がいい。

 

 

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県道に道を変えても、こうして歩道が確保されているので助かる。

 

 

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途中、列車を撮影できそうなポイントがいくつかあり、どこかで撮影でもしてみようかと考えていた。だがどこで撮るか決めかねて、近所をうろうろしている間に列車が過ぎてしまったので、結局何も撮ることはできなかった。

この辺りの紀勢本線は単線のローカル路線である、1本逃せば次の列車まではしばらく時間が空いてしまう。惜しいことをしてしまった。

 

 

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徘徊虚しく撮影したかった列車を逃しつつ、最後の途中駅となる鵜殿を目指す。

この踏切を越え、右手に進んだ先に、駅のホームが見えた。

 

 

6:32 紀勢本線 鵜殿駅

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鵜殿駅は紀勢本線を熊野方面から見て、新宮の1つ手前にあたる駅だ。もう新宮は目の前なのである。本当によくここまで歩いてきた。

先ほど、撮影しようと思っていた列車を逃したばかりなので、次発まで時間が開くようだった。そのせいかホームや待合室に人の姿は見当たらなかった。

 

 

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駅前には熊野市駅新宮駅を結ぶ路線バスが通っている。今回歩いてきたルートとほぼ一緒だ。本数もそれなりにあるようだ。またいつか、この辺りを旅で訪れるときにはお世話になるかもしれないと思った。

 

 

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県道35号を歩く。

 

奈良県吉野郡天川村に源を発する熊野川は、奈良県十津川村を縦断し紀伊山地に深い渓谷を刻みながら、下流では川幅を広げ太平洋へとそそぐ。その河口部にある町が、三重県側では紀宝町の鵜殿、和歌山県では新宮となる。

三重県側の河口部、鵜殿港周辺には大きな工場が立地している。そこに建てられたと思われる高い煙突から、白い煙が雲のようにもくもくと噴き出されていた。

 

 

7:03 ファミリーマート 紀宝鵜殿店

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この度最後のリスポーン地点に到着した。

ここにはイートインがあるので、朝食がてらお邪魔するとしましょう。

 

30分程度の休憩の後、新宮に向けラストスパートをかける。新宮駅まで3.7km、45分程度の道のりだ。

 

 

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県道は熊野川の沿岸に出てきた。

この辺りのルートが少し面倒で、このまま熊野川を横断すれば新宮の町はすぐなのだが、河口付近に橋が通っていない。

 

 

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紀勢本線の鉄橋をくぐり、2kmほど上流寄りに架かっている「熊野大橋」まで回り道をしなければならない。この道のりが最後の最後で精神的にしんどかった。

熊野川や、そこに架かる鉄橋、奥に見える山々のサイズ感が大きく、歩いても歩いても近づいているような気分にならず、実際の距離に対して、異様に遠く感じられた。

 

実は現在、もっと河口よりの部分にも新しく架橋する計画があるらしい。 もし本当に架かってくれたら、また歩いて新宮へやって来た時に、少しばかり楽な思いをすることができそうだ。

 

 

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やっとの思いで「熊野大橋」までやってきた。

この橋を渡ると、晴れて和歌山県新宮市に入る。手前に架かるのが歩行者も歩くことのできる橋梁で、奥に見える赤い鉄橋が紀宝バイパスからそのまま伸びているものだ。

 

 

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熊野大橋の河口側には紀勢本線の橋梁が通っている。

天気もよく、淡い水色を背景にして鉄橋を渡る列車でも撮れればと思ったが、あいにく都合のいい時間に通る列車はなかった。

 

 

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熊野市の三交南紀から歩くこと約8時間、我々はとうとう新宮にたどり着いた。

列車でもバスでも、チャリでもない。徒歩で来たのだ。

 

 

8:20 紀勢本線 新宮駅

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今回の徒歩区間における終点、新宮駅へと到着。

ただひたすらに疲れた。足が棒になるどころの騒ぎではない。「これ以上歩けないよ」とムンクの500倍くらいの叫びが下半身から聞こえた気がした。嘘だけど。

 

こうして、ひたすら夜通し歩き、移動しながら効率的に夜を明かすことができた。

非常に効率的な行程だった。効率的過ぎてコスパカンストした。ついでに歩き続けて辛い思いをしたいというM欲求も満たせたし、人生で一番美しい日の出を拝むこともできた。もう何も文句はない。

 

 

非常に晴れ晴れとした気分で、私は駅前にそびえるヤシの木を眺めた。旅行直前に買った安い運動靴の靴底は、既に半分ほど擦り切れていた。

 

 

 

ーーー

8:40 熊野交通「白浜空港リムジンバス」 南紀白浜空港行き

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さて、徒歩旅がひと段落着いたところではあるが、これはあくまで案件履修のための手段に過ぎない。本来の目的はこれから乗車する、南紀白浜空港行きリムジンバスだ。

 

新宮駅南紀白浜空港を串本周りで結ぶリムジンバスは、「熊野交通」が運行を担当する。

熊野交通和歌山県南部、本宮・新宮・那智勝浦などのエリアを中心に路線バスの運行を行っているが、かつて運行していた新宮~関西空港を結ぶ路線が廃止されて以降、長らく高速バスの運行はしていなかった。

その熊野交通が新路線としてこのリムジンバスの運行を開始するということで、とても気になっていたし、開業から半年程度の時間がたってしまったが、こうして乗りにやって来たのだ。(この路線を「高速バス」と呼ぶべきかどうか正直わからないけれど、紀勢道を走行する区間があるので、高速バスと呼ばせていただきます)

 

だから昨晩からの徒歩はあくまでこのための手段に過ぎないのである。

 

そうこうしているうちに、南海系列の事業者でよくみられる、オレンジを基調とした色をまとった大型バスが優雅に滑り込んできた。もともと観光バスとして使っていた車両だ。

 

 

和歌山に生まれた新路線に乗車する喜びに、高鳴る心臓を抑えつつ、乗務員さんと簡単なあいさつを交わしながら、私は車内へと乗り込んだ―

 

 

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おしまい

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

記事中の文章は追って改変することがあります。(誤字脱字とか、違和感があったら)