ライラックとは、ヨーロッパが原産の落葉樹である。リラとも呼ばれ、4月~5月になると、枝先に美しい紫や白色の花々を咲かせる。花言葉は「思い出」「恋の芽生え」「青春の喜び」。その甘い香りは香水にも利用される。
私は今、札幌を定刻に出発した旭川行きの特急「ライラック」に乗車している。
久しぶりの北海道だ。今までは寒い冬の時期にしか来たことがなかったが、5月ともなれば、比較的過ごしやすい陽気が続くように思う。窓から差し込む心地のいい日差しは、時折私を眠りに誘う。一生このまま、この座席に腰かけて車窓を眺めていたい、そう思った。
車窓に広がる平野の中には、ところどころに紫がかった木々が見える。列車名の由来ともなった、ライラックの花が咲いているのだ。鮮やかな紫色の花々が、零れ落ちそうなほどで、花はその可憐な咲き姿でもって、北海道に春の到来を告げている。その花と共に、列車は函館本線を南北に奔走し、春を告げてまわるのだ。
厳しい冬を終えたこの大地には、今年も多くの自然が芽生えることだろう。ライラックの花言葉の中に「恋の芽生え」「青春の喜び」といったものがある。この陽気に誘われて、自分の人生にも何かが芽生えたり、歓喜の声を上げたくなるような出来事がこの先で起こったりするのだろうか。
自分の性に合わなくて、普段あまり考えないようなことも、こんな居心地のいい空間の中では何の邪念もなく考えられるような気がする。だから旅は良い。
いつもの旅なら、その時の感情を逐一SNSなんかに投稿してしまうものだが、この時ばかりはそれをやめて、延々と車窓を眺めていたい気でいた。いっそのこと手に持っているスマホの原電も切ってしまおうか。考え付いたことは心の中に留めてしまえばいい。それくらい、気持ちのいい車窓なのである。
暖かな日差しを全身に浴び、車内には甘い香りを春風と共に舞い込みながら、北の大地を駆け抜ける特急「ライラック」。ステンレス製の車体は陽光をきらりと反射させ、アクセントにあしらわれたグリーンの塗装は春の到来に芽吹いた草木を思わせる。
そんな列車の疾走姿を思い浮かべているだけで、陽気の中で列車に揺られながら流れゆく車窓を思い浮かべているだけで、まるで旅に出ているような気分に浸ることができる。
そう、気分に浸るのである。
私は今、北海道にはいない。なぜなら緊急事態宣言が発令されてるから。
だからさっきまで書いていた旅記みたいなやつも全部妄想。でっち上げである。北海道に旅立ってはいないし、ライラックにも乗っていない。もちろん青春も芽生えない。すべて自宅PCで相葉夕美さんの「lilac time」を聞きながら書いた妄想なんです。すいません。
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以上、家に居ながら書いた特急ライラック乗車記のでっちあげでした。
最近、すごく暇な時があって、そのとき適当にネットサーフィンしてたら「花言葉」というワードに巡り合いまして、こういうのを元にして文章を書いたら面白そうだなぁと思ってやった次第です。
とりわけ日本の特急には花の名前を冠した列車も少なくないですし、その辺を織り交ぜたらいい感じに "それっぽい" ものが書けるかなと思ったんですが、読んでみてどうでしたでしょうか。
ブログによくある「今週のテーマ」じゃないですけど、特定のキーワードや軸を決めて記事を書いてみるのも、つよい文章を書く練習になるんじゃないかと思います。
あと、特定の特急列車とかに対して、彩りある自然の中を駆け抜けるシーンを妄想することとかってよくあるじゃないですか。鉄道系のCMでも演出されてるような。
私は動画編集がすきなので、普段はそういうのを映像で表現できたら楽しいなとか思ってるんですけど、そういうのを文章でやったらどんな具合になるのかなと気になったので、今回はブログでやってみました。
映像じゃない分、具体的な風景について読み手にも想像の余地があるなというか、風景が確定してしまう映像とは違った面白さがあるんじゃないかと思うんです。
まぁもっとも、優れた文章じゃないとそういう次元に至れないんでしょうけどね......。もっといい感じの文が書けたら楽しいだろうなと思います。今回はその練習ということで。
あと、行ってない旅行の旅記をどれだけでっち上げて書けるかも気になった次第です。
誰かと打ち合わせして、旅行の同行者と称して2人で別々の視点で同じ旅記をでっち上げて書いたりしても面白いかもしれません。
まぁよくわからないことをグダグダと書いてしまった次第ですが、言いたいことは一つだけ、
北海道行きてえ!!!!!!!!
以上
* 最後までお読みいただきありがとうございました。
* 本文は誤字脱字の訂正や言い回しの加筆・修正をすることがあります。
この記事を書くときに参照したやつ
北海道は冬にしか行ったことがありません